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定期コラム 〜野球概論編〜 vol.2
2012年9月6日更新
〜野球を通じて生きる力を育む キャリア教育の伝道師〜
インサイドアウト〜いつも野球が教えてくれた〜
氏名 渡久地 広一
(ポップアスリートカップ実行員会 アドバイザー)
一般社団法人 神戸ミュージアムロード振興協会 代表理事
出身地 兵庫県尼崎市
生年月日 1968年7月3日
プロフィール 少年時代から野球に親しみ、捕手として在籍した立命館大学硬式野球部時代は元ヤクルト古田敦也氏や後のメジャーリーガー長谷川滋利氏ともプレー。人と人の縁というものを最も大事にしながら、地域振興や社会貢献活動に奔走。
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前回 社会性(コミュニケーション)という観点でキャッチボールについて語りました。

今回も更にキャッチボールという行動に隠れた社会性について語ろうと思う。

キャッチボールはお互いにうまくなって素早く、いいリズムで、相手の胸にピシッ、ピシッと決まりだすと快感というか喜びに近い感情が湧き出てくる。
昔、当たり前のように公園とか広場でお父ちゃんと息子がキャッチボールする状況ってどこでも見かけた気がする。
現体験として子供の幼少期に親子でのキャッチボールの機会があり、キャッチボールが成り立った親子がいるとしよう。子供に一時期、当たり前のように反抗期があったとしても、いつか必ず気持ちが通じる時が来るような・・・・・気がする。
キャッチボールって技量が上のものが未熟な者を常にリードするもの。
未熟な者が一生懸命に相手の胸を狙って投げようとしても狙ったところには投げられないもの。
「未熟」ってそういうことなんじゃないかな。

現在、技量が上の者も、かつては自分も未熟で同じように暴投を繰り返してきた・・時期があった・・はず。

だから、投げ方のコツについて指導はしても、怒ったりはしてはいけないし、

上達してほしいという期待と愛情から出た言葉は相手を決して責めたりしない。

プレーそのものは指摘しても相手自身を責めない。相手にレッテルは貼らない。

「お前は上達の途中であり、理にかなった反復練習を繰り返せば必ず狙ったところへ投げられるようになる」と励ます。

今は思ったように投げられなくても大丈夫!自分も始めたころは下手だった!でもやっているうちに出来るようになった!だから心配せず!悲観せず!楽しんでキャッチボールを続けよう!

お互いに楽しく感じることが出来るキャッチボールを続けよう!このような思いやりをメッセージに込めて相手に伝えることがコミュニケーションの本質。
非言語情報としての思いやりとか、距離感とか、相手の捕りやすさとか、良いキャッチボールが成り立ったときの快感や喜びといった共通の暗黙知が成立すれば、それは高価な教材を買い与えたり、塾や予備校や家庭教師で多額の教育費を費やすよりもどれほど価値があることでしょうか?それこそがお金で買えない価値がある(古いカードのCM?)のではないでしょうかね?
至近距離で力いっぱいボールを投げつけることは共感を強要するに等しい。
コミュニケーションはキャッチボールであり、キャッチボールは即、コミュニケーションです。
キャッチボールを反復するうちに技術が上達するように強要しない共感の積み重ねが人と人の関係性を良質かつ強固なものにしていく。

夕暮れ。

仕事から帰ってきたお父さんと父の帰りを待っていた子ども。

公園での親子のキャッチボール。

そんなシーンが日本に復活したら、キャッチボールをつうじて日本中に希望が芽生えてくるような気がします。

お互いに相手の実力を認め合った同志が軽やかなステップでピシピシとリズム良くキャッチボールが出来るって、それだけで、即、幸福な情景ではありませんか?

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